北海道経済連合会は10日、東北経済連合会と仙台市内で「北海道新幹線開業シンポジウム」を共同開催した。パネルディスカッションに登壇したアークスの横山清社長は「札幌と仙台が核になり交流を深め、地方創生のモデルになるものが現れれば」と話し、新幹線が北海道と東北の両地域をつなぐことに期待した。
道経連の大内全会長はシンポジウムを仙台で開く狙いを「北陸新幹線の例もあり、(新幹線開業は)大きなビジネスチャンスになる。東北との経済交流の拡大の一助にしたい」と述べた。東経連の高橋宏明会長も「北海道との連携拡大が仙台圏を含めた東北全体に広がる」との見方を示した。
東北側は観光面への期待が強く、高橋氏は「インバウンドの交流人口を拡大したい」と、道南と東北を一体にした広域観光ルート作りなどを求めた。JTBグループ本社の加藤誠観光戦略部長は「インバウンドの逆流が起こる。函館を訪れる40万人の外国人観光客が東北に流れ込むビッグチャンス」として新幹線の東北への効果を強調した。
一方、アークスの横山社長は「新幹線は札幌まで来ないと効果が十分ではない。札幌延伸が進めば東北とさらに濃密な関係になるはず」と早期延伸に強い期待を示した。