旅館・ホテル運営の星野リゾート(長野県軽井沢町)は10日、石川県加賀市にある温泉旅館「界 加賀」をリニューアルオープンした。宿泊棟を建て替えて客室を従来の2倍以上となる48室に増やした。加賀の伝統工芸を積極的に取り入れた。
約200年前に建てられた伝統建築棟は傾きを修繕し、外観では紅殻で着色した格子や赤壁などの意匠を復元。客室には加賀水引や九谷焼などの加賀の伝統工芸を床の間や障子に用いた。48の客室のうち、18室には露天風呂がついている。
料理は九谷焼の若手作家による器に盛り付ける。伝統芸能の加賀獅子舞を毎晩披露する。宿泊価格は1泊2食付きで1人当たり2万7千円から。
星野リゾートは2005年、「白銀屋」を取得。12年に「界 加賀」に名称を改め、14年3月から30億円かけて改装した。界ブランドの旅館は全国に13カ所ある。星野佳路代表は10日、「30カ所作れば、ブランドとして海外にも発信できる」と今後の展開を語った。