法務省は18日、川崎市で2009年に3人を殺害したとして、殺人罪で死刑が確定した津田寿美年死刑囚(63)=東京拘置所=ら2人の死刑を執行したと発表した。死刑執行は今年6月以来6カ月ぶりで、岩城光英法相の就任後は初めて。津田死刑囚は裁判員裁判で死刑判決を受けた死刑囚として、初の執行。
ほかに執行されたのは、岩手県洋野町で06年に2人を殺害し強盗殺人罪などに問われた若林一行死刑囚(39)=仙台拘置所。同省によると、18日時点の未執行の確定死刑囚は、再審開始決定を受けて釈放されている袴田巌さん(79)を含めて127人。うち6人が裁判員裁判で死刑判決を受けている。
同省などによると、津田死刑囚は09年5月、川崎市幸区のアパートで、騒音トラブルから隣に住む大家の柴田昭仁さん(当時73)と柴田さんの弟の嘉晃さん(同71)、嘉晃さんの妻、敏子さん(同68)を次々と刺殺。11年6月、一審・横浜地裁の裁判員裁判で死刑判決を受けた。控訴したが、その後自ら取り下げた。
若林死刑囚は06年7月、岩手県洋野町の会社員、上野紀子さん(同52)方に侵入。帰宅した上野さんと次女の友紀さん(同24)を相次ぎ殺害し、現金を奪って遺体を近隣の山林に捨てるなどした。一、二審で死刑判決を受け、上告が棄却されて確定していた。
最高裁は、重大な判決を下すなどした裁判員の心理的負担を軽減しようと09年の制度開始以来、裁判員や補充裁判員経験者向けに相談窓口を設置。電話やメール、面接などを通じて心のケアをしている。