【NQNニューヨーク=古江敦子】18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が3日続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の1月物は前日比0.22ドル安の1バレル34.73ドルで終えた。一時は34.29ドルと2009年2月18日以来6年10カ月ぶりの安値を付けた。米国で原油生産に使う掘削設備(リグ)稼働数が増えた。需給の緩んだ状況が長引くとの見方が強まり、売りが膨らんだ。
米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後に公表した週間の調査で、米原油生産向けリグの稼働数が5週ぶりに増えた。高水準の生産が続いているとの見方が浮上した。米原油在庫は過去最高水準に積み上がっており、暖冬の影響で暖房用燃料などの需要が当面は高まらないとみられる。需給の緩みの解消には想定より時間がかかるとの見方が広がった。
1月物は取引最終日が近く、期近物の交代に絡んだ持ち高調整が目的の売りも出た。
米国からの原油の輸出解禁を巡っては「長期ではWTIの需給改善につながるかもしれないが、目先の相場への影響は限られる」(プライス・フューチャーズ・グループのフィル・フリン氏)との声が聞かれた。
ガソリンは続伸。ヒーティングオイルは3日ぶりに反発した。
金先物相場は反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である2月物は前日比15.4ドル高の1トロイオンス1065.0ドルで終えた。米株式相場の大幅下落を背景に投資家心理が悪化し、実物資産である金にリスク回避目的の買いが入った。
銀、プラチナは反発した。