【ニューヨーク=西邨紘子】米製薬ベンチャー、ターリング・ファーマシューティカルズは18日、前日に証券詐欺の容疑で米連邦捜査局(FBI)に逮捕されたマーティン・シュクレリ最高経営責任者(CEO、32)の辞職を発表した。暫定的にロン・ティレス会長がCEOを兼任する。
今回の逮捕はシュクレリ容疑者がターリング創業前の2009年~14年に関係したヘッジファンドの運営などに関するもので、ターリングは無関係。シュクレリ容疑者は無罪を主張しているという。
ターリングは今年創業。8月に特許失効から長い間たった感染症治療薬の米国での販売権を買い取り、価格を元の50倍以上につり上げて販売を始めた。同薬を必要とするエイズウイルス(HIV)患者などの負担が大幅に増すことになり、世論の激しい反発を買った。シュクレリ容疑者は「米国で最も憎まれている男」などと呼ばれ、動向が注目を集めていた。