羽に「内海FAN」とのスタンプが押されたチョウ「アサギマダラ」が愛知から鹿児島・奄美にかけての6県で見つかった。飛行ルートを調べるための印とみられるが、誰が押したのかは不明。大阪市立自然史博物館の金沢至学芸員は「情報交換や一緒に研究を進めたい。情報を寄せてほしい」と呼び掛けている。
アサギマダラは羽を広げた大きさは10センチほどで薄い水色の鮮やかな模様が特徴。日本列島を南下し、台湾周辺に渡ることから「旅するチョウ」とも呼ばれる。羽に印を付けるのは、飛行ルートを調べる愛好家たちにはおなじみの手法だ。
金沢さんによると、昨年10月~今年11月、各地の愛好家が直径1センチほどの円の中に内海FANとスタンプを押され、数字が書き込まれた8匹を発見した。
これまでの調査で印を付けたチョウが再捕獲される割合と照らし合わせると、数百匹がスタンプを押されて野に放たれた計算となる。しかし、ほとんどの愛好家が情報交換のために登録しているメーリングリストで呼び掛けても、手掛かりがつかめないという。
愛知県半田市のアマチュア研究家、窪田宣和さん(64)は「内海はアサギマダラがよく見られる愛知県南知多町の地名。人名のイニシャルではないか」と推測するが「これだけ大規模の調査をしている人を誰も知らないというのは不思議だ」と話している。〔共同〕