犯行直後、クアラルンプール国際空港から出国するリ・ジェナム容疑者。白っぽいシャツに着替えている=マレーシア警察提供
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、殺害の指示役とされる北朝鮮籍の容疑者の男たちが、犯行後に空港で着替えをしていたと捜査関係者が明らかにした。捜査当局は容疑者特定を阻む工作の一つとみている。
金正男氏殺害
事件は2月13日午前、クアラルンプール国際空港の出発ホールで発生。正男氏の顔面に実行犯の女2人が毒を塗りつけたとされる。この際、少なくとも4人の北朝鮮籍の男が、実行犯に毒入りの液体を渡したり、動きを監視したりしていたと警察は見ている。
監視カメラの映像を調べる捜査関係者によると、北朝鮮外務省所属とみられるホン・ソンハク容疑者(32)は、襲撃の直前まで実行犯のそばに付き添っていた。スポーツメーカーのロゴ付きの黒い帽子を目深にかぶり、灰色の長袖を着ていたという。ところが、犯行後にトイレから出てきたホン容疑者は、帽子をかぶっておらず、藍色の半袖シャツ姿だった。靴底が白い足元の特徴は変わっていなかったという。
また、近くのレストランで監視…