一緒に手作りの親子丼を食べるスタッフと利用者=愛知県半田市
日本福祉大学(本部・愛知県美浜町)の卒業生らの団体が、新たな子どもの居場所づくりを始めた。どう過ごすかは自由で、代表理事の田中嵩久さん(24)は「子どもが充電できる場所にしたい」と話す。
居場所の名前は「TRH(テラハ)」。Try、Relax、Houseの頭文字を並べたもので、1兆倍を表す単位の接頭語「テラ」とハウスをかけて、大きな可能性を秘めた安心できる場所になれば、との願いを込めた。地域の交流サロンを借りて開いている。リビングのような広間に食卓が置かれ、キッチンもある。おしゃべりをしたり、カードゲームをしたり、過ごし方は自由だ。
田中さんやスタッフとテラハで一緒に手作りの親子丼を食べていた男子高校生は「優しく話を聞いてくれる人ばかりで、もう一つの家みたい」「ここではバーッと話しちゃう。それだけですっきりする」と話す。母子家庭で、忙しく働く母親に心配をかけたくないから、家では悩みや不安を話さないようにしている。
この団体は、一般社団法人「アンビシャス・ネットワーク」(愛知県半田市)。日本福祉大学の学生らが立ち上げ、2012年から経済的に苦しい家庭の子どもらに無料で勉強を教えてきた。15年には社団法人化。生活保護世帯や児童扶養手当を受けるひとり親家庭の中学生らを対象に週2回、半田市内の2カ所で勉強を無料で教えている。16年7月からは半田市の委託も受けた。運営は田中さんら卒業生が中心となって担い、スタッフの多くは大学生のボランティアだ。
ただ、学習支援を受けに来てい…