日銀が18日発表した異次元緩和の補完措置を受け、償還までの期間が長い超長期債の利回りが低下(債券価格は上昇)している。21日の債券市場で新発20年物国債の利回りは一時0.990%と、1月27日以来およそ11カ月ぶりに1%を下回った。30年物国債の利回りも一時9カ月ぶり低水準の1.255%に低下。20年債や30年債の低下幅は18~21日の2営業日で0.1%に迫った。
日銀は異次元緩和の補完措置で、購入する国債の平均残存期間を「7~12年」と、従来の「7~10年」より長期化した。買い入れる国債の平均残存期間が伸びると、償還までの期間が長い国債を日銀が買いやすくなる。
日銀は来年1月の国債買い入れ額を「1年以下」を除く全ての年限で今月より増やすとも発表した。償還まで「10年超25年以下」の1回当たりの購入額は2600億円と200億円増やし、「25年超」は同1800億円と400億円増やす。市場では償還までの期間が長い国債の需給逼迫観測が強まっており、「20年債利回りは0.75%まで低下余地がある」(東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジスト)。
ただ急激な金利低下に対する市場の警戒感も強く21日の国内債券市場では売りに押される場面もあった。20年債は前日比横ばいの1.000%に上昇して取引を終えた。