【ラスベガス=小川義也】トヨタ自動車は5日、米国に設立した人工知能(AI)の研究開発会社の幹部に、米グーグルのロボット開発部門の責任者を引き抜いたことを明らかにした。今後5年間でAIの研究開発に10億ドル(約1200億円)を投じるトヨタの本気度が、シリコンバレーの優秀な人材を引き寄せた人事として注目を集めそうだ。
今月発足した「トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)」に移籍したのは、ジェームズ・カフナー氏。2009年に始まった自動運転車開発プロジェクトの創設メンバーのひとりとして、カーネギーメロン大学からグーグルに移籍。14年からはロボット開発部門の責任者を務めていた。
シリコンバレーでは、AIやロボット分野の研究者や技術者の争奪戦が激しさを増している。日本企業は最近、グーグルやフェイスブック、中国の検索大手、百度(バイドゥ)など新興勢力に優秀な研究者を引き抜かれることが多く、逆のケースは珍しい。