日本企業が海外市場で発行する外貨建て社債が増えている。調査会社ディールロジックによると、2015年の外債発行額は352億ドル強(約4.2兆円)と14年の345億ドルを上回り、過去20年で最大となった。成長を求めて海外展開を進める企業が増え、外貨の需要が強まっている。
通貨別ではドル建てが277億ドルと全体の8割弱を占めた。14年は発行のなかったユーロ建て債券も、金利低下で調達コストが下がり、15年は66億ドルの発行があった。
ソフトバンクは7月、総額44億ドルの外債を発行、日本の事業会社が一度に出す額として過去最大規模となった。同社は海外事業を拡大しており、低金利の環境を生かし長期の資金を確保した。
海外での投融資を強化している三菱東京UFJ銀行などの大手銀行は、10億ドルを上回る大型の社債を相次ぎ発行した。
東海旅客鉄道(JR東海)は同社として初の外債を発行。ドル建てで3億ドルを調達した。リニア中央新幹線の建設を控え、資金調達先を多様化する狙いがあるようだ。
大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは「海外企業のM&A(合併・買収)が増えるなど海外事業を強化する動きは活発で、外債の発行意欲は強い」と話す。