建て替え後の津久井やまゆり園のイメージ図=神奈川県提供
神奈川県は6日、殺傷事件があった障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の建て替えについて、基本となる考え方や利用にあたっての構想を公表した。閉鎖的にならないように、施設の入り口周辺の門や塀を撤去して「開かれた園」にするという。10日に県内の障害者団体や有識者から意見を聞き、3月末までに基本構想を策定する。
やまゆり園を建て替えへ 家族会要望受け県 相模原殺傷
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大規模施設の建て替えは、「『施設から地域へ』という国の方針に逆行する」との声があるものの、県は現在地で建て替えることで、「凄惨(せいさん)なイメージを払拭(ふっしょく)し、再生のシンボルとする」とした。
管理棟には地域住民の美術作品を展示できるスペースを設け、体育館やプールは「交流促進ゾーン」と位置づけて積極的に地域に開放していく方針。
一方で侵入者対策として、防犯ガラスの取り付け▽センサー付き防犯カメラの設置▽職員室から見渡せるように居住棟を配置――といった取り組みをするという。建て替えは2019年度中に始まり、20年度末には完了の予定。(永田大)