【ロンドン=共同】ロシア陸上界の組織的なドーピング問題に絡み、国際陸連幹部が2009年には既に同国の組織的ドーピングの可能性を認識していたと12日、AP通信が報じた。12年ロンドン五輪前にはロシア陸連と結託し、ロシアの無名選手のドーピング違反は非公表にする措置を検討していたことも分かった。ともにAP通信が入手した、国際陸連の内部文書で明らかになった。
09年10月に当時の国際陸連のバイス事務局長は、ロシア陸連のバラフニチョフ前会長宛ての書簡の中で、ロシア選手の数値は健康を害するレベルにあると警告していた。また同年の世界選手権ベルリン大会で実施された検査の結果から、持久力向上効果のあるエリスロポエチン(EPO)使用や血液ドーピングを、組織的に行っていることが疑われると指摘していた。
12年のロンドン五輪前に、国際陸連の反ドーピング部門責任者だったドレ氏からディアク前会長とその弁護士に送られた文書では、20人を超えるロシア選手をメダル獲得有力選手と、無名選手に分類。有力選手には厳格に反ドーピング規則を適用するが、無名選手には処分を4年から2年に軽減し、大会での記録も抹消されない措置を取ることを提案していた。