長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故で、長野県警は20日、運行記録計(タコグラフ)の記録紙など4点を押収したと明らかにした。現場近くの監視カメラの映像などから、県警はバスが制限速度を超えるスピードで下り坂を蛇行していたとみている。
土屋広運転手(65)=死亡=が何らかの原因で車体を制御できなくなった可能性があり、記録紙のデータから事故直前の速度を分析するとともにブレーキやエンジンの状態を精査し、原因究明を急ぐ。県警によると、速度や走行距離が分かるタコグラフの記録紙に目立った破損はなかった。
一方、事故を起こした東京都羽村市のバス運行会社「イーエスピー」が労働基準法など労働関係法令に違反していた疑いが強いことが20日、厚生労働省などへの取材で分かった。立ち入り調査した東京労働局は同社を書類送検する方向で捜査している。
同社は運転手に時間外労働をさせるのに必要な労基法36条に基づく「36協定」を、労使間で結んでいなかったという。
厚労省はツアーバスを運行するバス会社に対して緊急の集中監督を実施するよう、20日付で全国の労働局に指示した。〔共同〕