【ダボス(スイス東部)=共同】ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(本部ジュネーブ)は21日までに、世界の海に漂うプラスチックごみの量が今後も増え続け、2050年までに重量換算で魚の量を超すと予測する報告書を発表した。海のプラスチック汚染は年々深刻化しており、報告書はリサイクルの徹底を促している。
報告書によると、世界のプラスチックの生産量は1964年の1500万トンから2014年の3億1100万トンへと50年で20倍以上に急増。今後20年間でさらに倍増するとみられている。
毎年少なくとも800万トン分のプラスチックが海に流出。このまま対策を取らなければ、50年までには海のプラスチックの量が魚を上回る計算になるという。
プラスチック容器のリサイクル率はわずか14%で、紙の58%や鉄鋼の70~90%を大幅に下回っている。報告書はプラスチックのリサイクルを促進し、海など自然界への流出を防ぐ対策の強化が急務だと指摘した。
報告書は専門家180人以上への聞き取り調査と200本以上の報告書の分析を基に作成された。
世界の海にはポリ袋や漁具、容器などのプラスチックごみが分解されずに至るところに浮遊している。特に、紫外線や波により5ミリ以下に砕かれた微細な「マイクロプラスチック」が生態系に与える悪影響への懸念が国際社会で強まっている。