安倍晋三首相は22日、ロシアのプーチン大統領と電話で約40分間協議した。プーチン大統領が来日する前の「しかるべき時期」に非公式にロシアを訪れ、日ロ首脳会談を開く方向で調整を進めることで一致した。今年春ごろにロシアの地方都市などでの開催を検討している。
電話協議では安倍首相の訪ロに向けて、2月中に東京で日ロ外務次官級協議を開くことも確認した。北方領土問題を含む日ロの平和条約締結問題などを話し合う見通しだ。両首脳は北朝鮮による核実験についても意見交換した。首相は「核不拡散体制への重大な挑戦であり、断じて容認できない」と強調。日ロが国連の安全保障理事会などの場で連携して対応することで一致した。
電話協議は日本側から呼びかけた。首相は5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)前の訪ロを検討している。プーチン大統領の早期来日に向けた環境を整備し、北方領土問題を巡る交渉を加速させたい考えだ。
首相周辺は「実力者であるプーチン大統領との間でなければ、北方領土問題のような難しい政策課題は解決できない」として、首脳間の対話を重ねることが重要だと指摘する。
首相はプーチン大統領との電話協議で、22日付で対ロ外交を担当する政府代表ポストを新設し、原田親仁前駐ロシア大使を任命したことも伝えた。