総務省が29日発表した2015年12月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きの大きな生鮮食品を除く総合が103.3と、前年同月比0.1%上昇した。プラスは2カ月連続。QUICKが事前にまとめた市場予想(0.1%上昇)と一致した。食料(生鮮食品除く)や家庭用耐久財、テレビをはじめとする教養娯楽用耐久財が値上がりし、原油安によるエネルギー品目の価格下落の影響を補った。
チョコレートなどの値上がりで食料価格が2.3%上昇。家庭用耐久財は4.7%、教養娯楽用耐久財は14.7%上がった。一方、原油安を背景にガソリンや電気代などエネルギー関連の価格下落は続いた。ただ前の年の12月に原油価格の下げ幅が大きかった反動で、前年比の下落の影響が11月より和らいだ面もある。食料・エネルギーを除く「コアコアCPI」は101.6と0.8%上昇し、11月(0.9%上昇)から伸び率がやや鈍った。生鮮食品を含む総合は0.2%上昇した。総務省は物価動向について「エネルギー関連の影響を除くと上昇基調」との判断を据え置いた。
併せて発表した15年通年のCPIは生鮮食品除く総合が103.2と、前年比0.5%上昇した。プラスは3年連続。同年3月までを中心に14年4月の消費増税の影響が残り、この要因を除く実質では横ばいだった。
先行指標となる東京都区部のCPI(中旬速報値、10年=100)は、16年1月の生鮮食品除く総合が101.1と、前年同月から0.1%下落した。12月(0.1%上昇)から一転、3カ月ぶりのマイナスとなった。原油安でエネルギー品目が軒並み下落した。コアコアCPIの上昇率は0.4%となり、12月(0.6%)から伸びが鈍った。外国パック旅行やテレビなどの上昇の勢いが11月より鈍ったことが影響した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕