経済産業省が29日発表した2015年12月の鉱工業生産指数(10年=100、季節調整済み)速報値は前月比1.4%低下の96.5だった。マイナスは2カ月連続で、QUICKがまとめた民間予測の中央値だった0.3%低下も下回った。半導体製造装置やスマートフォン(スマホ)用の電子部品などが低調だった。
12月は出荷が1.7%低下となり、在庫率指数は0.4%上昇した。経産省は生産の基調判断を「一進一退で推移している」に据え置いた。15年10~12月期は前期比0.6%上昇となって3期ぶりにプラスとなったものの、15年通年では前年比0.8%低下となり、2年ぶりに前年水準を下回った。
12月の生産指数は15業種のうち11業種が前月から低下し、4業種が上昇した。はん用・生産用・業務用機械が2.9%低下したほか、電子部品・デバイスも3.5%低下した。中国向け輸出を中心にスマホ用電子部品の落ち込みが目立った。輸送機械も0.9%低下した。
1月の予測指数は7.6%の上昇、2月は4.1%低下を見込んでいる。もっとも経産省はこれまでの計画から実績が下振れてきた傾向をふまえると、1月の高い伸びは実績では大きく引き下がる可能性があるとしている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕