【NQNニューヨーク=内山佑輔】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅続落し、前週末比177ドル92セント(1.1%)安の1万6027ドル05セントで終えた。下げ幅は一時400ドルを超えた。欧州株式相場が軒並み大幅安となったほか、一部のエネルギー関連企業に対する信用不安が強まり、運用リスクを回避する動きが強まった。
石油・天然ガス開発大手のチェサピーク・エナジーが、債務再編へ向けて法律事務所を雇ったと朝方に伝わった。会社側が「破産を申請する計画はない」との声明を発表したものの投資家の不安は収まらずに急落。石油メジャーを除くほかのエネルギー関連企業の売りを促して相場を下押しした。チェサピーク株は急落し下落率は33%となった。
エネルギー関連企業向けの不良債権が増加するとの懸念などからバンク・オブ・アメリカなど金融株にも売りが広がった。
ナスダック総合株価指数は大幅続落し、前週末比79.391ポイント(1.8%)安の4283.753で終えた。2014年10月17日以来およそ1年4カ月ぶりの安値水準を付けた。
S&P500種株価指数は前週末比26.61ポイント(1.4%)安の1853.44で終え、14年4月15日以来およそ1年10カ月ぶりの安値を付けた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種のうち9業種が下げた。「素材」「金融」「一般消費財・サービス」が下落。一方、シェブロンとエクソンモービルが上げた「エネルギー」は上昇した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約13億5000万株(速報値)だった。
チェサピークの売りをきっかけに、天然ガスのウィリアムズ・カンパニーズや天然ガス輸送パイプライン大手のエナジー・トランスファー・エクイティも急落した。金融株ではシティグループやゴールドマン・サックスへの売りが目立った。
クレジットカードのビザやホームセンター大手のホーム・デポも売られた。
一方で教育大手のアポロ・エデュケーションが急伸。投資グループへの身売りを発表し、1株当たりの売却額にさや寄せした。玩具大手のハズブロも高い。15年10~12月期の決算を好感した買いが入った。