(16日、浦和3―1仙台)
3人のFWは、自分たちを「KLM」と呼ぶ。浦和の興梠、李、武藤。バルセロナのメッシ、スアレス、ネイマールの強力攻撃陣が、名前の頭文字を取って「MSN」と言われるのにならっている。
その3人が、今季初めてそろってゴールを挙げた。
李は後半8分、槙野から速いクロスが上がると、体を前へ投げ出した。頭に当てて先取点を挙げて、「これが自分の持ち味」。
決勝点を奪ったのは興梠だ。1―1の後半29分、阿部がボールを奪った瞬間、相手最終ラインの背後へ走り出した。スピードに乗ってスルーパスを受け、GKをかわした。左足でゴールへ転がした。
武藤も終盤、「負けたくなかった」とゴール前でクロスに頭で合わせた。こちらも得意のワンタッチゴールで、仙台を突き放した。
3人とも日本代表歴がある。しかし3月のワールドカップ予選の2試合には、誰も呼ばれなかった。
李は「僕は21歳までオカ(岡崎)よりうまかったんですけどね」とイングランド1部リーグで優勝争いをする同年代の日本代表FWに対抗心を燃やした。「今は水をあけられているが、まだサッカー選手として終わったわけじゃない」
J1ではここまで3人で9得点。興梠が「まだ少ない」と言えば、李も「今日は3人で2点ずつは取らないといけない」。武藤は「取るべき3人が得点するのがチームの理想。続けていきたい」と話した。(藤木健)
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○ペトロビッチ監督(浦) 「相手が守備的な試合が増えているが、選手はやるべきことをやっている。90分間で、我々の攻撃を全て防ぐのは不可能だ」
○阿部(浦) J1で100試合連続フル出場。「これで選手をやめるわけじゃない。チームの勝利のため、変わらずやるだけ」