試合前に募金活動を行う(左から)オリックス・西、西武・菊池、オリックス・西野ら=神戸市、遠田寛生撮影
断続的に発生する強い地震で九州各地が被災したことを受け、プロ野球やJリーグの各チームが16日、試合会場などで観客らに募金への協力を呼び掛けた。
オリックスと西武は、ほっともっと神戸(神戸市須磨区)でのデーゲーム前に募金活動を実施。オリックスからは西勇輝投手(25)と西野真弘選手(25)、西武からは菊池雄星投手(24)と野上亮磨選手(28)が出て、来場者に募金を呼びかけた。
菊池投手は「(西武)ライオンズの選手会としても、何かできないかとみんなで話をしていた」と話し、福岡県出身の野上選手は「野球で元気づけるぐらいしかできないけど、全力プレーをしたい」。西投手は「募金もそうですけど、球場に来てファンの方々に少しでも勇気を与えたいと思っている」と神妙な面持ちで話した。
球場ではこの日、半旗を掲げて弔意を表し、試合直前には両チームが黙禱(もくとう)を捧げた。
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東京ドーム(東京都文京区)でも巨人と広島の選手たちが、試合前に球場内で募金活動をした。巨人からは選手会長の長野久義選手(31)や熊本県出身の立岡宗一郎選手(25)ら12人、広島からも選手会長の小窪哲也選手(31)や野村祐輔投手(26)ら6人が参加。試合開始直前にはベンチ前に並び、黙禱を捧げた。
長野選手は「報道で見るよりも現地は大変だと思います。少しでも力になりたいと思って募金活動をさせてもらった」。小窪選手も「何か野球界で力になれたらいいと思う」と話した。
17日も引き続き行われ、2連戦で寄せられた募金は被災地へ送る予定。
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ナゴヤドーム(名古屋市東区)でも中日の若松駿太(21)、田島慎二(26)、福谷浩司(25)と、阪神の藤浪晋太郎(22)、能見篤史(36)、高橋聡文(32)の計6投手が試合前に義援金の協力を呼びかけた。17日も試合前に行う。
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ヤクルトは、坊っちゃんスタジアム(松山市)での主催試合で、球場内に募金箱を置いて義援金を募った。試合前には対戦するDeNAの選手らとともにベンチの前に立ち、黙禱を捧げた。半旗を掲げて犠牲者への弔意を表し、両チームの選手はユニホームに喪章をつけてプレーした。
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サッカーでもNACK5スタジアム大宮(さいたま市)であったJ1の大宮―甲府戦の前に、大宮の選手たちが被災者支援のための募金を呼びかけた。
14日の地震発生を受け、選手やクラブスタッフで話し合い、募金活動をしようと決めたという。ベンチ入りしなかった選手たちが募金箱を持つなどして義援金を募った。選手会長のMF大山啓輔選手(20)は「僕らができることは少ないけど、やれることをやっていきたい」。
クラブによると、16日に集まった金額は、106万1200円に上った。(遠田寛生、山口裕起、上山浩也、甲斐弘史、勝見壮史)