前半、チーム2点目のゴールを決めるベルギーのルカク(左)=関田航撮影
(23日、ベルギー5―2チュニジア サッカー・ワールドカップ)
5日前、初出場のパナマ相手に、後半に3点を重ねて滑り出した。その初戦がベルギーにはいいレッスンになったようだ。
パナマと同じように守りを固めるチュニジアに、試合の頭からアクセルを踏み込んだ。
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まず前半5分、短いパス交換の間に、E・アザールがペナルティーエリア内に抜け出した。慌てたDFの反則でPK。同16分、相手から球を奪ったメルテンスが持ち込み、DFを寄せておいて、ルカクにラストパス。あっという間に2―0だ。
「自分たちのゲームに集中して強みを出すことを考えたい。相手の出方を考える必要はない」と話していたのはMFムニエ。強みはつまり攻撃力。慎重になりすぎていたパナマ戦を教訓として生かした。
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貫かれているのはまっしぐらにゴールに向かう意識だ。ポゼッションうんぬんなどはぬきにして、目的であるゴールに向かってスピードを上げるから、反則も誘うし、DFを混乱させる。
2連勝で2大会連続の1次リーグ突破をほぼ手中にした。ドイツ、ブラジル、アルゼンチンなどが初戦でつまずくなか、注目度は増している。初優勝の可能性も含めて騒ぎ始めた周囲に、マルティネス監督は「W杯でいろいろいわれるのは普通のこと。それより、成長を続けることが必要だ」と繰り返した。
1次リーグ3連勝だった前回大会はいずれも1点差だったが、今回は計8点のうち7点を流れの中で奪い、大差をつけている。4年前と主力は変わらず、2戦続けて同じだった先発の平均年齢は27・4歳。守りではなく、攻めるチームとして成熟した今大会のベルギーは楽しめる。(潮智史)