熊本市動植物園では猛獣舎の一部が壊れ、すき間ができていた=18日午後、熊本市東区健軍5丁目、真野啓太撮影
一連の地震に伴い、熊本市動植物園の猛獣舎のおりにすき間が数カ所見つかり、同園が飼育するライオンやアムールトラなど計5頭が、福岡、大分両県の4動物園に移送される見通しとなった。道路状況や動物たちの体調次第だが、22日に移送を始め、24日ごろまでに終える予定だ。
特集:熊本地震 ライフライン情報など
熊本地震 災害時の生活情報
日本動物園水族館協会(東京都)によると、熊本市動植物園から16日に要請があり、受け入れ先を調整。ライオンの雄1頭を九州自然動物公園アフリカンサファリ(大分県宇佐市)、アムールトラの雌1頭を到津の森公園(北九州市小倉北区)、ウンピョウの雌雄1頭ずつを福岡市動物園(福岡市中央区)、ユキヒョウの雌1頭を大牟田市動物園(福岡県大牟田市)がそれぞれ受け入れることになった。
同協会の岡田尚憲事務局長は「どの動物にとっても移送は大きなストレスになる。動物の移送に慣れた運搬業者と獣医師がつく予定だ」と話す。九州自然動物公園の神田岳委(いわい)獣医師(46)は「非常時はお互い様。道中はストレスもあるだろうが、来てしまえば大丈夫だよとライオンに言いたい」と話す。約90頭のライオンを飼育し、飼育環境も整っているという。
協会によると、熊本県内の加盟園は熊本市動植物園のみ。非加盟の園からの移送要請はないという。