壁画を映像で体験できる展示のイメージ図=国土交通省提供
奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の極彩色壁画を保存・公開する施設「キトラ古墳壁画体験館 四神(しじん)の館」が9月24日にオープンすることが決まった。国土交通省国営飛鳥歴史公園事務所と文化庁が19日発表した。オープンに合わせ、修理を終えた実物の壁画が期間限定で公開される。
壁画は、青竜(せいりゅう)や白虎(びゃっこ)など方角の守護神「四神」や獣頭人身の十二支像、現存する世界最古の本格的な星図とされる「天文図」で、1983年に初めて見つかった。劣化のために石室からはぎ取られ、村内の仮設施設で修理が進んでいる。
四神の館は地上1階・地下1階で、古墳近くに建設された。地上1階に壁画を保存管理する施設が設けられ、温湿度が管理された壁画保管室や出土品保管室、壁画を見学できる「のぞき窓」が設置された展示室などからなる。地下1階には古墳(円墳)に似せた円形の部屋があり、東西南北のモニターに高精細映像の四神を流すなどして石室内部をイメージしてもらう。(塚本和人)