エコカーをめぐる三菱自動車の燃費データの不正操作が明らかになった。2000年の「リコール隠し」など一連の問題後、社の体質改善を図ってきたが、新たな不祥事が発覚した。ユーザーからは「裏切られた思い」との声があがった。
「燃費を実際よりよく見せるため不正な操作をし、国内法規と違う方法をしていたことが分かりました」
三菱自動車の相川哲郎社長は記者会見で謝罪し、頭を下げた。燃費を計算する際は複数のデータの中央値を使うべきところ、燃費のいい数字を使っていたことを明らかにした。
経営責任を問う質問に、相川社長は「数字を良く見せる意図があったのは確か。経営責任を感じている」と述べた。ただ「私はこの件は把握していなかった」と釈明し、関与を認めた性能実験部の元部長らの不正のきっかけについては「調査中」とした。
今回の不正は日産自動車の指摘を受けて発覚し、社内での自浄作用は働かなかった。相川社長は不正が無くならない企業体質について「非常に無念であり、忸怩(じくじ)たる思い」と述べた。