猫とふれあいながら飲食できる猫カフェで、猫の適正な管理を怠り、不衛生な環境で飼育していたとして、東京都は21日、動物愛護法に基づき、東京都墨田区の「ねこのて」に対し、30日間の業務停止を命じた。約6畳のスペースで一時、62匹が飼われ、7割は風邪をひいていたという。猫カフェへの業務停止処分は全国初という。
都によると、同店は2010年6月にマンションの一室に開業。基本料金は1時間1800円からで、猫を抱いたり食事ができたりする。昨年7月以降、近隣住民や利用者から「汚い」「くさい」といった苦情が寄せられるようになり、都が12月に立ち入り検査した。
検査では、雄猫を去勢せずに雌猫と室内で飼育したため、昨年6月の営業登録更新時に10匹だった猫が半年間で62匹に繁殖していたことが判明。店内はふんが落ちている不衛生な状態だった。都は今年2月に改善命令を出したが、風邪をひいている猫を獣医師にみせないなど、管理が不十分と判断した。(伊藤あずさ)