災害とコミュニケーション
熊本県を震度7の地震が襲ってから1週間。16日には「本震」が起こり、犠牲者が増えた。支援物資はなかなか避難所に届かず、ネットにはデマも。コミュニケーションのあり方を考える。(山口栄二、平和博、池田伸壹)
■神里達博さん(千葉大学教授)
ある地震が前震か本震かは、一連の地震がすべて終息してからでなければ科学的にはわかりません。しかし、多くの場合、最初に最大規模の地震が起きて、その後徐々に減衰していきます。ですから今回の熊本地震では最初に14日夜、震度7の地震が起きた直後に、気象庁の担当者は「今後震度6弱程度の余震が1週間続く」と言ったわけです。
それならこれ以上の地震は起きないだろうと自宅に戻った人がいて、16日未明のマグニチュード(M)7・3の「本震」によって、犠牲者が出たという事実を見ると、「いつ、どこで、どんな規模の地震が起きるか」を予知することは現在の科学ではできないということを改めて声を大にして言わなければと思います。