熊本県の阿蘇郡市の7市町村でつくる阿蘇広域行政事務組合が運営するし尿処理場「蘇水館」(阿蘇市)が、地震による断水のために稼働できなくなっている。民間業者に委託し、避難所の仮設トイレのくみ取りを優先する一方、一般家庭はくみ取り量を制限するよう住民に協力を求めている。
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蘇水館は阿蘇市、高森町、南阿蘇、西原、産山各村のし尿を受け入れている。1日当たりの処理能力は91キロリットル。16日未明の「本震」以降、処理に必要な地下水の配管が破損し、稼働できなくなった。復旧は週明けの見込み。
このため、上天草市の民間業者に処理を委託する一方、復旧までの間、一般家庭に我慢してもらい、避難所の衛生面を考慮して仮設トイレを最優先する対応をとっているという。
阿蘇市災害対策本部によると、23日午前8時半現在の避難者数は一の宮小学校約2千人、阿蘇中学校800人など、16カ所の計5452人。市内のし尿くみ取り対象は約20%という。(尾立史仁)