日本の認知症サポーターについて、説明する鷲巣典代さん=23日、ブダペスト
■認知症の国際会議・取材日記@ブダペスト
介護とわたしたち
特集:認知症社会
4日間にわたった会議も24日で最終日を迎えます。会議の中には、日本人の発表者も多く含まれていました。今日はそんな方々の一部を紹介します。
認知症の人と家族の会の事務局次長・鷲巣典代さん(64)は、日本の認知症サポーターについて発表しました。会場は満席、立ち見を含めると70人ほどが聴き入り、スクリーンに投影されたスライドを一枚ずつ、スマートフォンのカメラで撮影していました。
そんな光景に思わず、世界保健機関(WHO)神戸センターのアレックス・ロス所長から聞いた言葉を思い出しました。彼は「日本は世界に先んじて高齢化が進む国。だから各国が注目している。オレンジリング(認知症サポーター制度)もその一つの例だ」と話していました。会場の熱気を感じ、改めてそれを実感しました。
またポスター展示では、日本からは14点の研究内容などが発表されました。
愛知県立大看護学部講師の藤野あゆみさん(44)は、介護保険施設で働く看護師2千人にアンケートを配布。届いた回答を分析し「利用者に共感する能力が高い看護師ほど、倫理的な問題に対する意識も高い」という結果をまとめたそうです。
長野県看護大老年看護学の渡辺みどり教授(55)は、全国の認知症対応型グループホーム5250施設(有効回答1060施設)に、ケアの方法などについてアンケートを実施。その分析結果を公表しました。渡辺さんは「国際会議に参加することで、認知症に関わる世界の人々の動向を見ることができる。そういう所も魅力だと思っています」と話していました。(浜田知宏)