水がなくなり、底が露出した水前寺成趣園の池=24日午後、熊本市中央区水前寺公園、茶井祐輝撮影
熊本市中央区の観光名所・水前寺成趣園(じょうじゅえん、水前寺公園)の池の水がほとんどなくなっている。16日未明の「本震」後に、池の8割ほどの範囲で底が露出した。管理者も原因は分からず、地元の人たちは観光への影響を懸念している。
特集:熊本地震 ライフライン情報など
特集:あなたの街の揺れやすさを住所でチェック
熊本地震 災害時の生活情報
園を管理する出水(いずみ)神社の権禰宜(ごんねぎ)、鰺坂(あじさか)徳孝さん(27)が異常に気づいたのは16日午前3時ごろ。本震後に駆けつけると、いつもは月や街の明かりが反射する池が真っ暗だった。
午前5時ごろには池の底が8割ほどの広さで露出しているのを確認。浅くなった池ではコイが横になって泳いでいた。もともと池には、地下からわき出た水が自然にたまっていたといい、鰺坂さんは「水源が死んでしまったのか」と心配する。現在は地下水をポンプでくみ上げて池に流しているが、水位はまだ回復していない。
近所に住む女性(73)は24日、本震後初めて園を訪れた。「熊本城だけじゃなくてこっちまで。県民として残念。涙が出そう」と悲しんだ。園内で約50年間、土産物屋を開いてきた女性(68)は「大型連休に向けて商品をたくさん仕入れたのに」。園の前で客待ちをしていたタクシー運転手の男性(56)は「悲しくてしょうがない。水が戻ってこないと、ここで待っていても仕方がない」と話した。(茶井祐輝)