東京電力福島第一原発の汚染水対策で3月末に凍結を始めた凍土壁について、東電は25日、徐々に壁の一部が凍ってきたとして「地下水を遮る効果が表れ始めている」とする観測データを原子力規制委員会の検討会に報告した。ただ、安定しない場所もあり、東電は監視を続けるとしている。
凍土壁は、1~4号機の建屋を取り囲んで作る「氷の壁」。地下30メートルまで埋め込んだ凍結管に零下30度の液体を循環させて周りの土を凍らせ、建屋に流れ込む地下水を遮るのが狙い。凍土壁内と建屋内の地下水位が逆転して高濃度汚染水が外に漏れるのを懸念する規制委は、凍土壁を一気に凍らせず、段階的に凍らせる運用で計画を認めていた。
検討会で東電は、凍土壁の内外で水位差が拡大していることや、凍結管近くの地中温度も下がっていることから、部分的に地下に氷の壁ができつつあるとの認識を示した。