判定ラインの部分に検体を垂らすとMERSコロナウイルスを検出した場合(左)は赤い線がでる=梁明秀・横浜市立大教授提供
中東で患者の発生が続く中東呼吸器症候群(MERS)のウイルスを簡単に短時間で検出できる方法を開発した、と横浜市立大と試薬メーカー関東化学(東京)が26日、発表した。現在の方法では2~3時間かかるが、15分程度で判定できるという。
特集:中東呼吸器症候群(MERS)
感染が疑われる人のたんや鼻汁を溶かした検体をキットの判定部分に2~3滴垂らすだけで判別が可能。妊娠検査薬のように、ウイルスが検出された場合は赤い線が出る。
キット作成に先立ち、横浜市立大医学研究科の梁(りょう)明秀教授らは、MERSコロナウイルス特有のたんぱく質を大量に高品質で作る方法を開発。このたんぱく質を抗原にして高性能の抗体を作り、ウイルスを正確に認識できるキットを作った。
梁教授は「迅速で簡便なキットは水際での感染拡大防止に役立つと期待され、早期の実用化を目指したい。今後も、デング熱やジカ熱など、さまざまな感染症を検出できるキットを開発したい」と話している。(竹石涼子)