九州新幹線・高速道路の復旧状況
熊本県の一連の地震で、県は26日、地震による死者が49人、災害関連死の疑いが14人になったと発表した。同県南阿蘇村の土砂崩れ現場で見つかった遺体を25日夜、福岡県久留米市の早川海南男(かなお)さん(71)と確認。熊本市が死亡を発表していた90代女性を災害関連死の疑いに加えた。市は26日、避難先で心肺停止になったと発表していた60代女性と70代男性の死亡を確認。災害関連死の疑いがあるとして県に報告するという。男子大学生1人が安否不明の南阿蘇村では捜索が続けられた。
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熊本県内では26日午後1時半現在、521カ所に約4万1千人が避難。前日比で約7千人減った。県は、水道やガスなどのインフラの復旧や、家屋の応急危険度判定が終わって自宅に帰る人が増えたとみている。
一方、JR九州は26日、一部区間で運休していた九州新幹線について、27日午後から博多―鹿児島中央間の全線で運転を再開すると発表した。全線での再開は13日ぶり。
運休してきた熊本―新水俣間を中心に27日朝から試験走行し、午後2時台の博多発の列車から鹿児島中央まで直通の営業運転を再開。運行ダイヤはJR九州のホームページなどで発表する。新玉名―新八代間は、安全確保や騒音対策のため速度を落として運転する区間が残る。
ゴールデンウィーク(GW)前の28日を全線再開の目標にしていたが復旧作業が順調に進み、再開を1日前倒しした。一部のレールや新八代駅の補修作業などは27日朝まで続く。
在来線も一部復旧する。終日運転を見合わせている豊肥線の肥後大津―豊後竹田間のうち、豊後荻―豊後竹田間の運転を28日から再開する。
通行止めになっていた九州道・八代インターチェンジ(IC)―嘉島ジャンクション(JCT)間(33キロ)は26日午後3時に通行を再開。これにより鹿児島県―熊本市周辺の一般車両の行き来が可能になった。
植木IC―嘉島JCTは通行止めが続くが、石井啓一・国土交通相は26日の会見で「4月中に九州自動車道全線を一般開放する見込み」とした。九州中央道の嘉島JCT―小池高山ICも26日復旧。大分道の湯布院IC―日出JCTは復旧のめどは立っていない。