南米初の五輪となるリオデジャネイロ五輪開幕（８月５日）まで、２７日であと１００日となった。経済の停滞で資金は限られ、広い国土を束ねるはずの政治も不安定なブラジルで、五輪後も様々なスポーツを子どもたちに根付かせようと、学校単位で工夫が広がる。

ブラジルは、これまで多くの五輪が開催されてきた先進国とは違うスポーツ事情を抱える。広大な国土があり、普及のための人材や資金は限られる。それでも、リオ五輪を契機に、工夫を凝らしながらスポーツを広めようとする機運が高まっている。

リオ市西部にある学校の体育館に、歓声が響いた。「よし！」「やられたあ」。子どもたちが楽しんでいるのはフェンシングだ。

学校が今月採用した新競技で、使っている剣は手作り。古新聞を丸めて棒状にし、手元のカバーはペットボトルを切って作った。切っ先にスポンジを装着し、そこを絵の具に浸す。相手の紙製の防具に剣が触れると絵の具がつき、勝敗が分かる仕組みだ。

「フェンシングは知っていたが、今まではやる機会がなかった。相手を追い詰めるところが面白い。できるなら将来は選手になってみたい」とジュリア・クロジスさん（１３）は話す。