三回表広島無死二塁、新井は通算2千安打となる適時二塁打を放つ=遠藤啓生撮影
こつこつとバットを振り続け、広島の新井が26日、大記録にたどり着いた。プロ47人目の通算2千安打。ヤクルト・成瀬から放った打球は左翼線を抜けていった。七回には中前安打を放ち、2001安打とした。
広島・新井が2千安打 プロ野球史上47人目
広島市出身。1998年秋のドラフト6位で、駒大から広島に入団。フリーエージェント(FA)宣言して、2008年に阪神へ移籍した。15年に広島に復帰し、今季プロ18年目を迎えていた。初安打は1999年5月12日の巨人戦(広島)の七回、代打でホセから右前安打を放った。
2千安打がピンとこない。広島の新井は真顔で不思議がった。「客観的にはすごい。でも、いまいち自分のことのようにとらえていない」。記録達成は三回。内角のスライダーを左翼線にきれいにはじき返した。「あの下手くそな自分がよくここまでと思う」
当たれば飛ぶが、効率は悪い。「昔は2バウンドする球もぶんぶん振っていた」。付けられた名前は「宝くじ打法」。5年目の2003年には開幕4番に座ったが、打率2割3分6厘。他球団のマークが厳しくなり、翌年も好結果は出なかった。
05年、一念発起して打撃改造に取り組んだ。癖だったアッパースイングを矯正し、体をこまのように回転させて打つ。教えを請うたのは、すでに阪神に移籍していた金本(現阪神監督)だった。ホテルの部屋のガラスを鏡にし、電話で1時間、レッスンを受けたこともある。その年本塁打王、打率は3割を超えた。