退団会見で語る星組トップの北翔海莉さん=27日午前、大阪市北区、滝沢美穂子撮影
力を出し切った。そんな思いのあふれる爽快な笑顔だった。宝塚歌劇団入団18年目にしてトップスターになり、安定感抜群の実力派として星組を率いた北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんが27日、大阪市内のホテルで退団会見をした。「音楽学校から宝塚で21年。芸事(げいごと)をきわめようと、やるべきことはすべてやった。ひとつの後悔もありません」と感慨をこめて話した。
星組トップ北翔海莉さん、11月に退団公演
去年5月、トップに立つときに退団を見すえた。「大劇場で3作、1年半というのが、私が輝ける時間かなと」。それに、なにより次に組を背負っていく下級生を思い、たくさんチャンスが与えられるようにと願った。「あまり長く私がいても」。気づかいの人だ。
1998年の初舞台から月、宙(そら)組を経て2012年に専科へ。ずば抜けた歌唱力、のびやかなダンス、人情味とちゃめっけあふれる確かな演技力。大きな期待を背負って育った彼女にとって、専科での3年間は試練でもあった。「いまの北翔海莉をつくるのに必要な試練だった。修業させていただいた」と謙虚に話す。