J1復帰を託された名古屋の風間八宏・新監督
「オリジナル10」と呼ばれ、1992年のJリーグ発足時に加盟した名門の名古屋が、今季はクラブ史上初めてJ2で戦う。目指すは、1年でのJ1復帰。しかし、多くの主力を含め、20人近い選手が去る異例の事態のなか、厳しい船出になりそうだ。
名古屋グランパス
11月に降格が決まると、オフの移籍市場で名古屋は草刈り場になった。
日本代表経験のあるFWが次々とJ1クラブに引き抜かれた。永井はFC東京、川又は磐田、矢野は新潟へ。屈辱的なのは、有望な若手を予算規模で名古屋に劣るJ2クラブに奪われたことだろう。松田は福岡、小屋松は京都に移籍。ともに他クラブと競合の末、2014年に入団したFWだった。
精神的な柱でファンも多かった闘莉王とジュロブスキー監督が真っ先に契約満了を告げられた。8年間、背番号10をつけた生え抜きのMF小川、リーグ戦30試合に出場したDF竹内も戦力外になった。
最終的に20選手程度が名古屋を去る見込みだ。昨年11月に就任した下條佳明ゼネラルマネジャー(GM)は言う。「想定以上に選手が出たことは事実。あまり例がないよね。社長、GM、監督、選手がこうやって一気に代わるのは」。柏や清水で強化に携わった久米一正社長がJ2降格の責任をとって辞任したことで、17年シーズンのチーム編成は大きく変わった。
名古屋のチーム人件費はJ1で…