新国立競技場の外観イメージ図(南東側から)=技術提案書から。日本スポーツ振興センター提供
2020年東京五輪・パラリンピックの主会場になる新国立競技場に聖火台の設置場所が考慮されていなかった問題で、政府の検討ワーキングチーム(WT、議長・遠藤利明五輪担当相)は28日、設置場所に競技場の「フィールド」と「競技場外(敷地内)」を事実上推奨する報告書をまとめた。どちらが優位かには踏み込まなかった。
WTは、屋根の上、フィールド、スタンド、競技場外の4カ所から検討。フィールドと競技場外は「技術的制約要因が少ない」とした。屋根の上は構造上の問題などで「最も課題が多い」と事実上排除し、スタンドも席数を減らす必要があることなどから「慎重な検討を要する」と否定的な評価を示した。遠藤五輪相は「聖火台の点火は最大の演出。場所を決めて開会式のプロデューサーを阻害しないようにしたい」として課題整理の形での報告にとどめた。
過去の夏季五輪での聖火台は、国際オリンピック委員会の「競技場の全ての観客から見える場所に置く」との指針に基づき、競技場に設置されてきた。だが、今夏のリオデジャネイロ五輪では夏季五輪で初めて、市中心部の広場に置くことが明らかになっている。