関東社会人1部リーグの試合でボールをキープするFCコリアの選手(21番)
在日朝鮮・韓国人で作ってきた関東社会人サッカー1部リーグのFCコリアが、今季からすべての国籍、民族の選手に門戸を開いた。セレクションに受かった日本人が4人、チームに加わっている。
前身は1961年発足の在日朝鮮蹴球団。当時の選手は朝鮮総連が雇う朝鮮籍の「プロ」で、北朝鮮代表もいたが、外国籍選手の制限で公式戦には出られなかった。95年に東京都リーグで準加盟が認められたが、資金難などで弱体化。99年に総連が選手を解雇した。
2002年にNPO法人が運営するFCコリアに。在日韓国人も受け入れ、「親や祖父母の誰かが朝鮮半島出身」が加入条件になった。関係者の個人的なつながりで日本人がいた時期はあったが、民族の誇りを実感できる場として、「コリアンだけでやりたい」という意見が強かった。
だが、成燦●(ソンチャノ、●は「さんずい」に、つくりが「日」の下に「天」)マネジャーはかねて、「自分たちは日本で生まれ、日本で死んでいく。ルーツのこだわりを捨て、オープンにするのが自然なのでは」と考えていた。そして世代交代が進んだ今季、「昔を知る支援者たちから歓迎されないのでは」という慎重論も出る中、民族の枠をはずした。