FW巻(左端)ら熊本の選手たちを激励する手倉森監督(右端)
リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー23歳以下(U23)日本代表の手倉森誠監督が3日、地震に見舞われた熊本を訪れた。前日に全体練習を再開したJ2熊本を激励したほか、県内2カ所でサッカー教室を開催。仙台在住で、東日本大震災で被災した自らの経験を伝えた。
福岡から車で熊本入りし、「近づくにつれ、崩れた建物など痛々しい爪痕が残っていた。局所的な地震で、恐怖や不安がここに集まっていると感じた」。J2熊本の練習前、選手たちを「元気、勇気をスポーツの力で伝える使命がある。被災した人たちの生きがいにならなければいけない」と激励。一方で熊本の池谷社長と清川監督には、「やらなきゃいけないけど、頑張りすぎないで。思いもよらない力が出るのも人間だけど、必ずくたびれる時も来る。大事なのは戦い続けることで、やる時と休む時のメリハリをつけるのもリーダーの役割」と伝えた。
U23日本代表DF植田(鹿島)らの故郷・大津町では、スタッフと共にサッカー教室を開いた。雨の中、同町の小中学生に約1時間、パスの基礎を中心に指導。手倉森監督は「人と人、心と心をつなぐのがパス。みんなでパス交換するサッカーが、日本らしさと気づいてもらえれば」と話した。