米大統領選で共和党の指名獲得が確実となった実業家のトランプ氏(69)は4日、日本や韓国など同盟国が駐留米軍経費の全額を負担する必要があるとの認識を示した。応じなければ、米軍撤退など、日米間の合意を解消し、核保有も含め、自主防衛を促す考えを示した。
特集:米大統領選2016
トランプ氏は米CNNのインタビューで、財政難などから「米国は世界の軍隊や警察官をする余裕はない」と強調。そのうえで、「米国は日本を防衛しているが、我々が投じた膨大な労力やエネルギー、兵器を返済してもらっていない」と主張し、駐留米軍経費について、「同盟国が全額支払うべきだ」と述べた。
さらに、負担増が拒否された場合は、「米国は取引を解消する覚悟をしなければならない」と防衛協力の解消や駐留米軍の撤退も示唆。日本と韓国の核保有を容認する可能性については「覚悟はできている。もし同盟国がきちんと対処し、我々に敬意を払わなければ、彼らは自力で防衛しなければならない」と語った。
一方、「多くの人が『トランプは日本の(核)武装を望んでいる』と言っているが、私は同盟国に武装化を望んでいるわけではない。私が望むのは、少なくとも経費の面で我々に返済すべきだということだ」と述べ、あくまで同盟国の負担増が重要との認識を示した。(ワシントン=佐藤武嗣)