熊本市国際交流会館には幼い子どものいる家族も相談に訪れた=1日、同市中央区
言葉や文化、習慣の違いから災害弱者になりやすい外国人被災者。一連の地震で熊本市国際交流会館(同市中央区)は異国の災害で困窮する人々のよりどころになってきた。ただし、そのニーズは多岐にわたり、実際に被災者を受け入れたことで見えた課題もある。
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熊本地震 災害時の生活情報
同館では本震のあった4月16日から30日にかけ、外国人を中心に延べ約800人の避難者を受け入れた。日本人が集まる避難所で居づらさを感じ、移ってくる被災者も多かったという。
バングラデシュから同市の崇城大学に留学しているワリウル・イスラムさん(24)は「本震」後、日本語だけの情報に戸惑いながら、自宅近くの球場で二晩を過ごした後、英語の情報を求めて避難してきた。「日本に来て初めて『言葉の壁』を感じた」という。
同館は本来、市指定の避難所ではない。市の地域防災計画では、在住外国人や旅行者に各言語で情報提供する「避難対応施設」の位置づけで、最寄りの避難所を案内する役割だった。実際には母国語での情報や同じ境遇の仲間を頼って避難してくる外国人が多く、ピーク時は約80人に上った。