地震後に欠けていた岩
熊本・阿蘇の名所、大観峰(だいかんぼう)から見える「仏さま」の姿が地震後に変わった、と話題になっている。何が起きたのか。
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「どこかおかしい」。大観峰近くでレストラン「北山」を経営する園田一義さん(64)は、4月14日の前震の翌朝、異変に気づいた。阿蘇五岳(ごがく)に双眼鏡を向けると、東の端、根子岳(ねこだけ)の頂上にある天狗(てんぐ)岩が崩れ落ちていた。
北側の大観峰から見える阿蘇五岳の山並みは、仏の寝姿「涅槃(ねはん)像」に例えられる。根子岳が頭部、高岳が胸、中岳がへそ、烏帽子岳と杵島岳がひざ。天狗岩は、仏さまの鼻筋にあたる所だ。
目をじっと凝らさない限り、仏の変化に気づくのは難しい。でも、阿蘇の人々は「一目瞭然ですよ」と口をそろえる。「阿蘇山は、私たちの宝。毎日、飽きずに眺めていますから」。大観峰で土産物店を経営して38年目の今村孝一さん(68)は言う。