グーグルの自動運転の実験車=同社提供
政府の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)は車の自動運転の実現を急ぐため、指定する神奈川や仙台の特区で運転手がいない状態で車を走らせる実験を認める方針を固めた。ハンドル、アクセルがない車の走行実験も可能にする。安倍政権が今月末に閣議決定する成長戦略(日本再興戦略)に盛り込む。
道路交通法は運転手の存在を前提としているため、これまで実験でも公道では運転手が乗っていることが必要だった。政府は実用化に向けた課題を早期に見つけ技術開発を早めるため、2017年をめどに特区の公道で、車内に運転手不在でも遠隔装置を通じた監視などで自動走行の実験ができるようにする。
また特区では、たんの吸引など医療的な処置が必要な子が、学校など自宅以外の場所でも看護を受けられるようにする。地方を訪れる外国人観光客を増やすため、民宿や旅館が独自のツアー商品を販売しやすくもする。具体的には、旅行商品の取り扱いに必要な資格試験の簡素化などの見直しをしていく方針だ。(津阪直樹)