昨年8月の広島県大竹市議選で、当日に無効票とされた投票用紙を市選管が再点検した結果、当選が無効とされた男性が、市選挙管理委員会の判断を支持した県選管の裁決の取り消しを求めた訴訟の判決が17日、広島高裁であった。野々上友之裁判長は原告の請求を認め、当選を無効とした県選管の裁決は違法と判断し、取り消した。
訴えたのは昨年8月の市議選に現職で立候補し、最下位当選した山本孝三氏(83)。2票差の次点で落選した北林隆氏(59)が再点検を申し立てたところ、市選管は無効票の「キタジタカシ」など2票を北林氏への有効票と判断。2人の票数が同じとなったため、くじで当落を決める必要が生じ、市選管は山本氏の当選を無効と結論づけた。山本氏は県選管に審査を申し立てたが、県選管は同12月、請求棄却の裁決をした。
野々上裁判長は判決で、問題の票について「いずれの候補者名を記載したか全く判断しがたい」と認定。山本氏の得票数が北林氏を上回るため、当選を無効とした裁決は違法とした。