アゼルバイジャン国内にありながら隣国のアルメニアが実効支配しているナゴルノ・カラバフ自治州の衝突をめぐり、アルメニアのサルキシャン大統領とアゼルバイジャンのアリエフ大統領が16日、ウィーンで会談し、停戦を順守することを確認した。6月に再度首脳会談を開き、問題解決策を探ることでも合意した。
ナゴルノ・カラバフ周辺では先月2~5日、1994年の停戦合意後最悪の衝突が起き、双方共に少なくとも数十人が死亡した。その後、両大統領が直接顔を合わせるのは初めて。会談にはロシアのラブロフ外相、ケリー米国務長官らが立ち会った。
会談後のラブロフ氏の説明によると、両大統領は94年の停戦の枠組みを順守する必要があることを確認。先月の衝突と行方不明者については欧州安保協力機構(OSCE)が調査することでも一致した。
現地では両国軍が停戦を発表した先月5日以降も散発的な衝突が続いており、死傷者が相次いでいる。今後の見通しについてラブロフ氏は「両国間の緊張関係を考えれば、段階的に進める必要がある」と、慎重な見方を示した。(ウィーン=駒木明義)