八十八夜に茶摘みをする女性たち=1日、京都府宇治市、佐藤慈子撮影
お茶の木の源流も京にあり――。京都府の研究チームが国内各地の茶のDNA型を分析し、「京都グループ」に分類されるものが多くあることがわかった。茶は中国から伝わり、京都・宇治で確立された製造技術が各地に広まったとされる。その技とともに茶の木そのものも、京都から各地に伝わった可能性が高いことが裏付けられた。
京都府立大と府生物資源研究センターなどの研究チームが調査した。「あさひ」「成里乃(なりの)」など京都府内外のブランド品種や在来種など計115系統を対象に、茶葉の抽出液を使ってDNA型を分析。遺伝的に似通っているもの同士のグループに分けた。
その結果、①京都府内産のブランド品種が主体②京都府内産の在来種が主体③静岡を中心に国内で広く栽培されている「やぶきた」とその交配種④ウーロン茶など外国種の4グループに大別できた。
府外の茶を詳しくみると、檜山(ひやま、秋田県)や西尾(愛知県)、足久保(あしくぼ、静岡県)など6産地の在来種6系統は、すべて①か②の京都グループ。サンプル数が少ないながらも、村上茶(新潟県)、朝比奈茶(静岡県)、嬉野(うれしの)茶(佐賀県)、球磨(くま)茶(熊本県)など23系統の在来種は一つを除いて京都グループだった。