米ケンタッキー州レキシントンで16日、投票推進運動のイベントに現れたクリントン氏=AP
米大統領選で民主党の指名獲得が濃厚となったクリントン前国務長官(68)だが、その「弱さ」が露呈してきた。17日の予備選でもサンダース上院議員(74)の勢いをそぐことに失敗。世論調査では、共和党のトランプ氏に先行を許す州も出始め、「非好感度」もじわじわ上昇。本選に進んでも不安が尽きそうにない。
特集・米大統領選
「ケンタッキー州で勝利した。投票した皆に感謝したい」
17日深夜、クリントン氏はこうツイッターで宣言した。だが、同州は開票率99%で得票率はクリントン氏46・8%、サンダース氏46・3%。あまりの僅差(きんさ)でAP通信などがどちらの候補が勝利したか「当確」を見送るなかでの宣言。それはクリントン氏の焦りの裏返しでもあった。
ケンタッキー州は元々、2008年の大統領選予備選でオバマ氏に約35ポイント差で大勝した「クリントンびいき」の州。指名獲得が濃厚となり、本選対策に目を奪われ、5月に入ってからインディアナ、ウェストバージニア両州でサンダース氏に相次ぎ敗北。その勢いを食い止めようと見据えたのがケンタッキー州だった。