沖縄県で米軍属の男が女性の死体遺棄容疑で逮捕された事件で、政府は20日、関係閣僚会議を開き、米政府に軍人や軍属の綱紀粛正を強く求めることを確認した。安倍晋三首相は主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて開かれる日米首脳会談で、オバマ大統領に再発防止を求める方針だ。
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「非常に強い憤りを覚える。徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたい」。安倍首相は20日朝、首相官邸で記者団に語った。菅義偉官房長官も同日の記者会見で「米軍属の残忍で凶悪な事件の発生は許し難く、言語道断」と批判した。
政府はこの日、首相官邸で沖縄関係の閣僚会議を開いた。会議では、岸田文雄外相と中谷元・防衛相が米政府に抗議と再発防止を申し入れたことを説明。参院沖縄選挙区選出の島尻安伊子(あいこ)沖縄北方担当相は「繰り返される事件・事故に憤りを感じる」と述べた。
27日には、オバマ米大統領が現職大統領として初めて被爆地・広島を訪問する。政府内では「日米関係を深化させる歴史的イベント」(官邸幹部)と位置づけ、その前にある日米首脳会談で「関係強化」を確認する予定だった。だが、事件の発生で両政府は会談内容の再調整を図っており、日本政府高官は「首相は首脳会談で事件を取り上げ、『非常に遺憾だ』と伝える」と話す。