新台入れ替え自粛のポスターが貼られたパチンコ店「新宿アラジン」=東京都新宿区西新宿、工藤隆治撮影
26、27日の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の思わぬ影響が各地で出ている。パチンコ店の新台の入れ替えが一斉にストップし、東京電力福島第一原発の廃炉作業も中断。各地の警察官がサミット警備に派遣される中、警察の負担を減らす目的などで、事業者が自粛した結果だという。
特集:伊勢志摩サミット
〈サミット警備に協力するため、遊技機の入替をお休みします〉。東京・新宿のパチンコ店「新宿アラジン」は、サミット参加7カ国の国旗を描いたポスターを店内外に貼り出した。店にはパチンコとパチスロ計791台があり、月約60台を2、3回に分けて入れ替えるが、2日に中断した。
佐藤博・営業部次長(40)は「新台は集客の柱。遊園地に新しいアトラクションができるようなもので、客の入りが1、2割は違う。ただ、業界で足並みをそろえており、協力したい」と話す。
風俗営業法では、パチンコ店が新台を入れ替えるには、都道府県公安委員会に申請し、承認を得なくてはならない。申請通りの台が設置されたかは警察官が検査しており、同店では通常、新宿署員が1人で15~20分かけて開店前に調べるという。
業界団体の全日本遊技事業協同組合連合会(東京)は2月、「サミットに多くの要員を派遣する警察に負担を掛けないよう、業界として協力しよう」と、原則5月2~27日の入れ替え自粛を決定。閣僚会合などで期間を拡大する県もあり、最長は広島県の38日間。サミット会場がある三重県でも2~31日に自粛する。2000年の九州・沖縄サミットや08年の北海道洞爺湖サミットでも自粛したという。